住宅見学会LPの作り方(その2):「こういうのが欲しかった!」と感じるキャッチコピーを作れ!

前回の記事では、住宅見学会のLP(ランディングページ)におけるトップ画像の工夫を紹介しました。
今回は、その画像に入れる「キャッチコピー」の作り方を解説します。
1.トップ画像には、キャッチコピーを文字入れする
文字が全く入っていないトップ画像だと、次を見てもらえません。
「完成見学会開催」だけでもいいから、文字入れはすべきです。
ただし、来場予約につなげるには、もう一工夫しましょう。
2.心に火をつける「火種」を探す
トップ画像には、どんな言葉を入れれば、お客様の心が動くのか?
そんなときに役立つのが、心に火をつける“火種”という考え方です。
「火種」とは、「こういうのが欲しかった!」と感じる、「その空間で生まれる暮らしのシーン」のこと。
こうした「火種」について、いくつか例をあげてみましょう。
顧客の悩み・願望 | その空間で生まれる暮らしのシーン(=火種) | 火種をもとに作ったキャッチコピー |
---|---|---|
家族がリビングに集まらない | 帰宅した家族の声が自然とキッチンまで届き、「おかえり」と返せる距離感 | ただいまの声が届く距離で、家族がゆるやかにつながる家。 |
家が散らかって落ち着かない | リビングに戻る動線上に"ちょい置き"スペースがあり、自然と片付く | しまう場所より、動き方をデザインした収納。 |
夜、家族が寝静まってから一人の時間を楽しみたい | 子どもの寝室に音が届かず、リビングのソファで本を読める静けさ | 家族が眠ったあとの静けさに包まれる、私だけのリビング。 |
在宅ワークが増えてオン・オフの切り替えが難しい | リビングから数歩の書斎でドアを閉めれば、生活音が遮断される | ドア一枚で切り替わる、働くと休むのいい関係。 |
「こういうのが欲しかった!」という発見の喜びは、「自分でも気づいていなかった答え」を見つけた瞬間に生まれます。
「火種」の裏には消費者の悩み・願望があるので、「火種」探しは生成AIと壁打ちしながら探していくとよいでしょう。
(1)見学対象の住宅(写真とカンタンな説明)
この「火種」探しのために、生成AIには2つの情報を与えて「火種」を探して、と指示します。
1つ目は、「見学会の対象となる住宅の外観画像と見どころ画像」です。
設計上の工夫なども文章で加え、これらを1枚の画像ファイル(jpgやpng)にします。

※生成AIで作成した架空の住宅です。
(2)ターゲットとなるペルソナ
2つ目は、ターゲットとなるペルソナです。
例えば、「子育て世帯」なら下記のような項目について情報をまとめます。
◆年齢層:30代前半〜40代前半
◆家族構成:夫婦+未就学〜小学生の子ども(1〜2人が多い)
◆就業状況:共働きが多く、家事・育児の時間負担が大きい
◆住まい:郊外の戸建てを希望
◆価値観・関心:子どもの安全と教育、家事効率、家族との時間確保
(3)生成AIに指示&壁打ち
上記の(1)見学対象の住宅の画像と(2)ペルソナをもとに、下記の指示文を生成AIに与えて、火種を提案してもらいましょう。
一発で唸るような提案は出てこないかもしれませんが、自分1人で考えるよりは、はるかに発想が広がるはずです。
▼ChatGPTやGemini等の生成AIにコピペして使える指示文▼
### 【目的】
この家を見学する見込み客が、「どんな暮らしに惹かれるか」「どんな理想を重ねるか」を理解するために、見込み客の「心に火をつける火種」を3〜5個抽出してください。
火種とは、見込み客の心に「こういうのが欲しかった!」という感情に火を灯す「その空間で生まれる暮らしのシーン」のことです。
※例:
・冬の朝、裸足でリビングを歩ける暮らし(=断熱性能を体感に翻訳)
・「いってきます」のあと、家族の日常を静かに守りつづける家(=耐震性能を情景化)
・ただいまの声が届く距離で、家族がゆるやかにつながる家(=間取り設計を感情に変換)
【重要】火種は「性能」や「設備」そのものではなく、「その空間で生まれる具体的な暮らしのシーン」として表現してください。
### 【住宅情報】
添付の画像
※見学対象の住宅の外観・内観画像。
※設計の工夫などのテキスト情報。
### 【ターゲットペルソナ:子育て世帯】
* 年齢層:30代前半〜40代前半
* 家族構成:夫婦+未就学〜小学生の子ども(1〜2人)
* 就業状況:共働きで、家事・育児の負担が大きい
* 住まい:郊外の戸建てを希望
* 価値観・関心:子どもの安全と教育、家事効率、家族との時間確保
### 【出力形式】
以下の4つの項目を1セットとして、3〜5個提案してください。
1. 空間:この火種が生まれる、家の具体的な場所・設備。
(例)安心できる光のリビング
2. 火種:その空間で生まれる、暮らしのシーン(コンセプト)。
(例)“安心できる光のリビング”で家族が自然に集まる
3. 背景:その火種が心に響く、お客様の隠れた願望や悩み。
(例)仕事や学校で忙しい家族が、一緒に過ごす時間を大切にしたいという願望。
4. 体感描写:その火種を五感で感じられる、具体的な情景・ストーリー。
(例)午後のやわらかな光が差し込み、家族の笑い声がリビングに響く。
### 【補足指示】
* 火種は「この家を見たときに生まれる発見の喜び・不安解消のポイント」として考える。
* 「便利そう」「広い」といった表面的な感想ではなく、**暮らし方・気持ちの変化**に踏み込む。
* 表現は、自社スタッフが社内で理解できる自然な日本語で。
▼壁打ちの例▼
人間:「この火種、少し抽象的すぎませんか?」
AI:「では、より具体的なシーンを想起させる表現に変えてみましょう…」
人間:「共働き夫婦に響くには、もっと時短の視点が必要では?」
AI:「ご指摘の通りです。家事動線の効率化という価値を前面に…」
人間:「5つの火種を提案してくれましたが、この家全体の火種に統合できますか?」
AI:「はい。この家全体の核となる魅力を、ターゲットペルソナの最大の潜在的欲求である…」
3.「こういうのが欲しかった」と感じるキャッチコピー考案
火種がいくつか見つかったら、さらに生成AIにキャッチコピーを考案してもらいます。
キャッチコピーを考案するときには、下記のような「心理トリガー」を活用するよう、AIに指示してみてください。
◆アフェクト:淡い感情をほのめかす言葉選び
◆社会的証明:「多くの子育て世帯が選んだ」という安心感
◆希少性:「今週末限定」「先着○組」などの限定感
これらの心理トリガー(ヒューリスティック)は思考のクセのことです。見込み客の心に火を付けたり、ついた火をさらに大きくしてくれる「着火剤・燃焼促進剤」の役目を果たしてくれます。
上記の情報で、数回の壁打ちをした結果、下記のキャッチコピー案が出来上がりました。
忙しい共働き夫婦の心を解き放つ、
開放感までデザインされた家。
「ただいま」から「おやすみ」まで、家族の笑顔とゆとりをデザインします。
家族一緒の時間が自然にふえていく、
開放感までデザインされた家。
時間に追われる「毎日」が、家族で分かち合う「豊かな日常」に変わっていく。
【次点】
異なる角度から「豊かなコミュニケーション」というゴールを照らし出しているコピー。面白いですね。
家族の会話が、LINEじゃなくなる家。
朝の夫婦喧嘩が、夕方には笑い話になる家。
こうやって、画像に文字入れするキャッチコピーを絞り込んでいきます。
キャッチコピー案が決まったら、トップ画像に文字入れしていくわけですが、この話は次回に。
(その3へ続く)